サックス五重奏 マドリガーレ集から第11番 楽譜
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サックス五重奏 マドリガーレ集から第11番
ジローラモ・フレスコバルディ
Madrigali No.11
Girolamo Frescobaldi
編成はソプラノ、アルト2本、テナー、バリトンです。
金管五重奏、木管五重奏、クラリネット五重奏版は発売中です。
イタリアのルネサンス期を演奏で味わいたいものです。
コンサートピースの小品に、ぜひどうぞ。
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参考音源
https://youtu.be/TECOPiP_4rw
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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3
https://animato-jp.net/rec-band/gakufu.html
《Madrigali(マドリガーレ集)》― 第11番~第13番について解説します。
この曲は5声(Canto, Quinto, Alto, Tenore, Basso)の世俗声楽作品です。
ジローラモ・フレスコバルディ(Girolamo Frescobaldi, 1583–1643)は、イタリア初期バロックを代表する作曲家・オルガニストで、特に鍵盤音楽の分野に決定的な影響を与えました。
ローマのサン・ピエトロ大聖堂のオルガニストを務め、トッカータやパルティータなどで自由なリズム感覚と即興性を確立しました。
その音楽は言葉の抑揚を思わせる表現を特徴とし、バッハをはじめ後世の鍵盤音楽に大きな影響を与えました。
まず全体像を押さえ、その後に第11~13番それぞれの特徴を解説します。
1. フレスコバルディのマドリガーレ集 全体像
フレスコバルディ(Girolamo Frescobaldi, 1583–1643)は
鍵盤音楽の巨匠として知られますが、若い時期には声楽作品、とりわけマドリガーレも多く作曲しました。
このマドリガーレ集(全13曲)は:
後期ルネサンス様式を基盤
初期バロック的な感情表現(アフェット)
言葉に強く反応する音楽書法
を特徴とし、声楽から器楽への美学的移行期をよく示しています。
特に後半(11~13番)は、
和声の大胆さ・語法の劇的性格が顕著になります。
2. 第11番
《Giunto è pur, Lidia, il mio》(Prima parte)
編成:5声
内容:恋愛の苦悩と決断(「去るか、死ぬか」)
詩の主題
恋人リディアに対する語り手の葛藤:
彼女のもとへ行くべきか
それとも死を選ぶべきか
という、極端な心理状態が描かれます。
音楽的特徴
短い動機の執拗な反復(「non so se…」など)
不安定な和声進行
休符の多用による「ためらい」の表現
声部は常に均衡しておらず、
心理の揺れがポリフォニーの崩れとして現れるのが特徴です。
3. 第12番(概要)
※第12番も同様に5声マドリガーレ
特徴
より内省的で沈鬱な情感
半音階的進行が増え、痛み・嘆きを強調
テキストの一語一語に反応する、ほぼ「朗唱的」な書法
ここではルネサンス的均整よりも、
感情の真実性が優先されます。
4. 第13番(概要)
終曲としての性格
第13番はこのマドリガーレ集の締めくくりとして、
表現の振幅が最大
和声のコントラストが最も強い
声部の独立性が際立つ
という特徴を持ちます。
これはすでに、
モンテヴェルディ的第二作法
オペラ的感情表現
に接近しており、
フレスコバルディが「鍵盤音楽の人」になる直前の声楽的頂点とも言えます。
5. 演奏・指導上の重要ポイント
● テキスト最優先
音程やリズム以上に言葉の意味
母音の統一と子音の同時性
● ルネサンス的に歌いすぎない
美しさよりも切実さ
和声の「濁り」を恐れない
● アンサンブル教育的価値
声部の対等性
ポリフォニー感覚
感情を共有する室内楽的合唱
6. まとめ
フレスコバルディの第11~13番マドリガーレは、
ルネサンスからバロックへの転換点
言葉が音楽を支配する世界
後の鍵盤作品にも通じる「劇的時間感覚」
を示す重要作品群です。
特に第11番《Giunto è pur, Lidia, il mio》は、
心理描写としてのマドリガーレを学ぶ上で極めて優れた教材と言えるでしょう。
各曲の原歌詞(イタリア語)と日本語意訳を、曲ごとに整理して提示します。
(指導で使いやすいよう、直訳ではなく音楽的文脈を踏まえた意訳にしています)
第11番
《Giunto è pur, Lidia, il mio》(Prima parte)
11_Frescobaldi_Madrigali
原歌詞(イタリア語)
Giunto è pur, Lidia, il mio
non so se deggia dire
o partire o morire;
dirò ben io
che mort’è la partita,
poi che ’n lasciando te la scio la vita.
日本語意訳
ついに来てしまった、リディアよ、
だが私は分からない――
語るべきか、去るべきか、それとも死ぬべきか。
だが一つだけは言える。
君を残して去ることは、
すなわち命を捨てることなのだ。
詩と音楽の要点
「non so se…(分からない)」の反復=心理の動揺
「morire / mort’è」で和声が沈み込む
第12・13番への劇的導入となる曲
第12番
《Ecco l’ora, ecco ch’io》(Seconda parte)
12_Frescobaldi_Madrigali
原歌詞(イタリア語)
Ecco l’ora, ecco ch’io
a pena il posso dire,
son costretto a partire.
Dammi, Lidia, cor mio,
l’ultimo bacio, o mai l’ultimo addio.
Così dico, e partendo
ella tacendo piange,
ed io seco rimango.
日本語意訳
今がその時だ、
やっとの思いで口にする――
私は去らねばならない。
リディア、我が心よ、
最後の口づけをくれ、
さもなくば、これが永遠の別れだ。
そう告げて立ち去ろうとすると、
彼女は黙したまま涙を流し、
私はその涙とともに立ち尽くす。
詩と音楽の要点
「Ecco l’ora(今この時)」=切迫感
「l’ultimo bacio / addio」で表情が鋭く変化
終結部「ella tacendo piange」の沈黙的表現が重要
第13番
《Lidia ti lasso, ahi lasso》(Terza parte)
13_Frescobaldi_Madrigali
原歌詞(イタリア語)
Lidia, ti lasso, ahi lasso,
ma in pegno il cor ti lasso.
Ma se nel cor scolpita
sei tu, dolce mia vita,
senza il cor mio
come viver dunque poss’io?
Oh Dio, che tu potessi
meco venir,
o ch’io teco mi stessi;
che se ’l mio cor tu sei,
meco il mio cor avrei.
日本語意訳
リディアよ、君を残して行く――ああ、悲しみよ。
だがこの心を、形見として君に残そう。
もし私の心に刻まれているのが
君なのだとしたら、
心を失って、どうして生きていけようか。
ああ神よ、
君が私と共に来てくれたなら、
あるいは私が君と共に留まれたなら。
もし君こそが私の心なら、
私はこの心を携えて生きていけるのに。
詩と音楽の要点
「ahi lasso(ああ悲しみよ)」の嘆き
「senza il cor mio」で音楽的空白感
終結は諦念と祈りの融合
三曲を通しての理解(重要)
11番:決断前の葛藤
12番:別れの瞬間
13番:喪失と祈り
これは独立曲ではなく、
一つの恋愛悲劇を描く三部作的マドリガーレです。
指導・演奏のヒント
3曲通して同一人物の物語として扱う
母音統一は「美しさ」より「言葉の痛み」
特に13番は歌い上げすぎないことが深い表現につながる
アトリエ・アニマート
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