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クラリネット五重奏 ショパン :舟歌 Op.60 嬰ヘ長調(ト長調)楽譜

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クラリネット五重奏 ショパン :舟歌 Op.60 嬰ヘ長調(ト長調)
Barcarolle Fis-Dur Op.60
Chopin, Frederic

編成はEs Cl.、Cl.3本、Bs,Cl.です。
木管五重奏版は発売中です。

ショパンの名曲をコンサート・ピースに、ぜひどうぞ。
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参考音源
https://youtu.be/0a_XlwpJOQU

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アトリエ・アニマート楽譜ページ1/3
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『舟歌』(Barcarole)嬰ヘ長調 作品60は、フレデリック・ショパンが1846年に作曲・出版したピアノ独奏曲で、シュトックハウゼン男爵夫人に献呈されました。
舟歌(バルガローレ)というと、西洋では一般に水上都市ベネチアのゴンドラ漕ぎの歌から由来しています。
作曲当時ショパンは37歳、ジョルジュサンドと破局を迎え、病気もいっそう進行、かなり絶望的な心境だったと想像できます。
 この作品でも明らかにイタリア、ベネチアの雰囲気と見られる、明るく開放的な曲調がベースになっていますが、
この曲中ではもう一つ重要な、恋人同士の行方も大きなテーマになっていると言われています。
ショパン自身がこの作品を「二人以上の前で演奏してはならない」と語ったと伝えられている事も、いっそう謎めいたメッセージです。
一般にヨーロッパの 舟歌 と呼ばれる楽曲には、6/8拍子が使われる事が大変多いのですが、ここでは珍しく、12/8拍子が使われています。

通常の舟歌は無言歌集 (メンデルスゾーン)第2巻 作品30にあるように2拍子系の8分の6拍子ですが、この作品は4拍子系の8分の12拍子です。ノクターンに近い曲想でもあります。
冒頭は調性不安定な和声進行で、嬰ト短調-嬰ハ長調-主調と舟歌の浮揚感を象徴しています。
パウゼ(休止)のあと主題が始まります。低音の特徴的なリズムの上に3度や6度の和声で叙情的にメロディを演奏します。
中間部では一旦平行短調(嬰ヘ短調)で導入しますが、対立や発展というより連綿と同様主題が転調反復され、イ長調で進行します。
しかし時に嬰ト長調(変イ長調)のアルペッジョを取り入れて単調な舟歌に節目をつけています。
モノフォニーの嬰ハ長調レチタティーヴォが現れ、音階進行とトリルの後、主題が低音オクターヴ奏法に乗って再現されます。
調性不安定な半音階的な部分の後に6度の和声で主調が回想され、最後には下降音階が華々しく曲を締めくくります。
晩年の作品であり技術、表現の面で難易度が高いため演奏会で取り上げる場合は周到な準備が必要です。

「舟歌(バルカロール)」はヴェネツィアのゴンドラ漕ぎの歌に由来するといわれています。8分の6拍子で軽快な動きを伴いますが、
どこか感傷やもの悲しさを含んでいるのが多くの「舟歌」の共通点です。しかし、これをジャンルとしてその伝統を辿ることはほとんど不可能です。
おそらく流行の始まりは19世紀のオペラにこの種の歌が好んで用いられたことに端を発します。ピアノのための作品としては、メンデルスゾーンが
『無言歌集』所収のものを含めて3曲を残したほか、ショパンのものが最大規模で最高の佳作です。また、
フォーレは13曲を書いていることから、ジャンルとして「舟歌」に取り組んだものと考えられています。しかしそれ以降は再び散発的な作品に留まっています。
すなわち「舟歌」はジャンルと言うよりは、19世紀中盤から20世紀にかけて長く流行した性格小品のひとつと考えられます。

ショパン《舟歌》は、一見すると、ロンド風に冒頭主題が繰り返し現われ、合間にさまざまなエピソードが挿入されているように聞こえます。
そのため、ヴェネツィアの街を小舟で巡る――たとえば繰り返し回帰する主題は、「大水路」の風景に相当する、といった風景描写的な解釈も可能です。
しかし《舟歌》は実は、ショパンの中でも整った形式を持ち、優れて精緻な主題労作が施されています。
つまり、複数主題の提示、ブリランテなパッセージワークによる中間部、主題の再現という、ショパンがもっとも多用する三部形式の一種です。
しかしこの作品では、中間部が非常に縮小されている上、美しい旋律に依存するような単純な反復ではなく、巧みな主題が配置されています。

第1主題と第2主題前半は、絶え間ない8分の6拍子のオスティナート・リズムに攪乱されますが、音楽内容はきわめて対照的で、調は同主短調に移ります。
また、第1主題が下行形旋律であるのに対し、第2主題前半は上行形になっています。第2主題後半は調以外には前半とそれほど明確な繋がりはありません。
この主題が持つ華やかさは、ここではまだ音量によって抑えこまれています。

中間部では、わずか5小節ながら、8分の6拍子の刻みが一瞬やんで、拍節リズムに収まらない自由な時間の流れになります。
しかしこの部分は単に、異なる時間の流れを意識させるに留まり、ショパンの中間部特有の旋律美を聴かせることはありません。

再現部は、第1主題の変奏から始まり、一瞬の休符をクライマックスとして完全終止し、主調のまま第2主題後半へ突入します。続く第2主題前半の再現は、後楽節のみを用い、
ときおり同主短調の響きを覗かせながら、壮大な物語を終わりへと導いていきます。ここはすでにコーダの様相で、第2主題後半の壮麗な回音型動機で最高潮を形成し、
前半後楽節の多層的で下行形の動機によってそれを収束させています。こうした動機の使い方は見事なテクニックです。

このようにみると、ショパンの《舟歌》はフォーレのそれとは異なり、抒情的な音楽というよりは、「スケルツォ」や「バラード」と同種の疑似ソナタ形式による
物語的な音楽と解釈できますが、「つなぎ」の巧さによって、それが硬直した形式にならないのは見事です。
序奏の3小節や第35-39小節の間句、各セクションの始まりを告げる重音トリルなどは、全体の流れとほとんど関係ないからこそ、
わずか数小節で聴き手の耳を捉え、音楽の雰囲気を一変させてしまう効果があります。そして全体は自然に流れ、あたかも羅列的で抒情的に聞こえるのです。
この作品は、物語性と抒情性とを見事に融合させたショパン晩年期の最高傑作のひとつと呼ぶにふさわしい曲です。
このアレンジでは半音上のト長調になっています。

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